Century Lovers

火星と木星の間の星が絶滅の危機に陥った。生き残った者達は船で脱出して青き星に降り立った。
だが、文明の遅れていたその星を見守る為、彼らはもうひとつの月で眠りにつき、青き星の成熟を待っていた・・・。

「おい、リディア、お前いつ幻界に帰るんだ」
セシルとローザの結婚式の翌日にエッジはリディアを捕まえた。バロン城の客室が並んでいる通廊で呼び止めることが出来た。
「明日くらい、かなあ。ミストの村にいってみようと思ってるの。だからもう一晩泊めてもらえるように二人に頼んでおいたんだ。」
それしかリディアは言わない。エッジは「えー」とか「あー」とか困ったような声を漏らして
「・・・一人でいく気だったのか」
「?うん」
「お前さあ・・・。もうちょっと、頼ってくれよ、俺でもさ」
別れたときより更に綺麗になったリディアをみてエッジは目を細める。
「ありがとう。」
わかってるのかな、と半分くらい不安にエッジが思っていると、リディアはにっこりと笑って礼をいう。
「エッジは、いつまでいるの?」
「んじゃあ、俺も明日くらい。お前がいないんじゃあ、いるイミなんてねーよ」
「・・・」
「わかってっかよ?お前に会いたくて、俺は来たんだ」
そういってエッジは笑うけれど、リディアはどう返事をしていいか困ってしまっている。照れてしまって背中をむけた。
「そういえば、おい、聞いたか?」
エッジは無理にリディアを振り向かせはしない。
「何を?」
「昨日の結婚式の宴の間に、コリオのオヤジが各国に伝令を飛ばしたんだぜ」
リディアは自分の鼓動が早まるのを感じた。
何か予感がする。
普通に「なんて?」と簡単には聞けない。何か覚悟に似たものがそれには必要だった。
「・・・どういう伝令?」
「ひとつの月が去った、ってさ」
「月が・・・去った・・・?」

まるで盲目的な片恋をしているようだと。
わたし、そう思っていたわ。
自分から、この星の引力に身を委ねて、成長を見守り続けて。
まるで永遠の片恋にすべてをかけたかのようにそっとそっと。

リディアは目を見開いたまま空を見た。光がまぶしい。
エッジの声はとりたてて感情が強く動いているようではない。ただ淡々と事後報告をするかのように教えてくれるだけだ。
「ああ。もちろん、残っているもう片っぽの月ってえのは誰も人が残っていない・・・リディア?」
「やっと・・・自分を解放したのね」
リディアは涙ぐんでいた。ななめから覗いてその様子を知って、一体その話の何がいけなかったのか、とエッジは驚いている。
「な、なに?」
「やっと、この星の引力から、解放されたんだね。」
そういってリディアは涙をぬぐおうとした。しかし、不思議とそれは止まらず、とめどなく流れてくる。
「リディ」
「あんなに側にいてずっと見守ってくれていても、私達に出来ることはちっぽけで、彼らに手も届かないくらいで。それでもこの星を待ち続けて他のものをみることも出来ないで、ずうっと恋してたみたいだったの」
「・・・月が、か」
何を言い出したんだ、という顔を一瞬エッジはしたけれど、リディアがいうことはあながち彼にもわからないではなかった。
そうっとエッジはリディアを背中から抱きしめた。
リディアは泣きながら、それにからだをゆだねる。
「どうしよう、エッジ、涙が止まらないの。」
「いーんだよ、そんなの、止めなくたって。俺には、あんまりわからないけど、お前には泣く理由があるんだろ。・・・そういうお前のことが俺は好きだ」
「お願い、もっと強く・・・」

願わくばいつか
月の深い愛情にこの星がこたえられるように。
それは私が生きている間ではなくとも。

また 会おうね。
わたしたちの子孫が待ってる。きっと。


Fin



モドル

いやはや。わかりにくい話ですみません(笑)
これ、エッジ&リディアじゃなくて、月&青き星、のカップリングになっちゃいましたね。(爆)
どないせえっちゅーの。あたしもバカねえ・・・。