神の領域-10-

嘆かわしい・・・。ランスロットは自分の失態にほとほと呆れた。
わかっている。悪いのは自分だ。けれど、それでも言わなければいけないことだった。
今の彼らはとても不安で仕方がない。ソニアの右腕が早くよくなってくれるように、と反乱軍の人間は誰も彼も思っている。
もし、彼女の右腕が動かなくなったら。
(トリスタン皇子をたてればいい、か。そんなことはわかっている)
それは体裁だ。
反乱軍として集った人間が、みなゼノビア奪回を夢見ているわけでも、どんな人間の元でも戦えるというわけではない。
ソニアは、それを知っている。知っているはずなのに、自分がもしも反乱軍を率いることが出来なくなったらトリスタンを立てればよい、なんてことを平気で口に出す。
(・・・投げやりな言葉、ではない。あれは)
それ以外に方法がないことを知っている。だからソニアはそう言うけれど、本当はそれでは成功しないことも彼女はわかっているに違いない。なのに、それを言わせてしまったのは自分の失態だ。そこまで追い詰めたかったわけではない。
「ソニア殿はっ!?」
バルモア城の中、ちょろちょろとソニアは走り抜けてみるみるうちにランスロットの視界から消えていった。
慌てて後を追ったけれど、もはやソニアがどこいら辺にいるのかすらランスロットはわからない。
残兵整理のために城の通路で立ち話をしていたテリーとラウニィーに声をかける。
「そっちの窓から出ていったわ。一体どうしたの、ランスロット。ひどい慌てようだったけど」
「窓からっ!?」
「外にカノープスがいたの。どっかに飛んでいったわ。ねえ、どうなの、それ。あなた達のリーダーは戦が終わったら、もう自由行動出来るわけ?」
テリーはそれには苦笑を見せて
「そういうわけではないのですが・・・今日はなにやら特別なようですね」
「・・・カノープスは、どちらに飛んでいったのだろうか」
ランスロットは情けない表情で二人を見た。
やがてラウニィーがぷっと笑って
「やあだ。ランスロット。いい年の男性がそんな表情するものじゃあないわ。どうしたの?」
が、明るく茶化してあげてもランスロットの表情に変化は見えない。これはかなりの深刻なことになっているぞ、とテリーは勘付いたらしく
「もし、カノープスさんをおいかけるのであれば・・・グリフォンにでも乗らないと無理ですよ。でも、ランスロット殿、今あなたまでここからいなくなってしまってはわたしたちはどうしてよいのかわからなくなってしまいます・・・」
と、穏やかに助言をする。
それもわかっていた。わかっていたけれど、誰にも指摘されなければ、今日だけは目をつぶって欲しい、と心のどこかで思っていたことだ。きっとテリーも話せばわかってくれる人間なのだとは思う。けれど、そうやって多くの兵士に甘えながら自分の役目を放棄することはやはり彼には出来ない。
「・・・ああ、まったくそのとおりだな」
そして、結局生真面目なこの聖騎士は、反乱軍、という足枷をつけられてソニアを追いかけることが出来なくなってしまうのだった。

カノープスは困った顔でソニアを見ていた。
立派な枝ぶりの木を見つけてソニアを座らせる。これは、以前もあったことだ、と思い出す。風が少しふいて、さわさわと葉っぱがこすれる音が耳に聞こえる。
「で、今日はなんだってんだ」
「・・・」
「ずっりーな、話さないのは。俺はただの運搬人ってわけか」
「そういう言い方するカノープスの方がずるいと思う・・・。甘えられなくなるじゃないか」
「・・・バッカ!絶対お前の方がずるいだろうが、そんなこと言われたら!!」
カノープスだってこの小さなリーダーが自分に甘えていることなぞ、もともとわかっている。外見は若いとはいえ、カノープスはもうそれがわからない年齢ではないのだ。
ソニアは泣いてはいなかったけれど、カノープスと目を合わせない。
涙があふれているのかあふれていないのかはわからないけれど、目頭が熱くなっているような、そんな気がしてソニアはただうつむくだけだ。まだ泣いていなくても、カノープスを見たら泣いてしまうかもしれないし。
「あたしが、反乱軍リーダーを辞めたら、みんなどうするんだろう」
「・・・うっわ、深い話から始まったな」
「トリスタン皇子を、探せばいい・・・それでいい、と言ってくれ、カノープス」
「いいわけ、ないだろう・・・」
「カノープス」
その声は弱弱しい。
「お前じゃなきゃ、駄目なんだろ。今ここにいるやつらは。トリスタン皇子がトップにたつってのは、ゼノビア王朝復興のための兵士になるっていうことだ」
「それはわからない」
「ゼノビア王朝は嫌いだけど、帝国は許せない、っていう勢力が世の中にはいっぱいいて、そういうやつらだってこの軍にいるに決まっている。中にはランスロットやウォーレンのじいさんのことを嫌ってるやつだっているに違いないんだよ。お前が上に立つことで、そういった面倒が緩和されてるんだし。反乱軍だから、ここにいる。ゼノビア軍だったら、ここにはいない・・・わかってるんだ、だから、ウォーレンのじいさんだってさっさと決起しなかったんだろう、きっと」
「カノープスは大人だな」
「だろ」
ソニアは黙り込んで、枝に座って足をぶらぶらとさせた。
「気持ちが悪い」
「おい、大丈夫か?」
「アルビレオが中途半端に作ったらしい擬似生命体を見た」
「なんだ、それ」
「突然、足元の魔法陣から出てきて・・・黒い、変な・・・子供の大きさの妙な塊で、でも手があってハイネの足を、こう、掴もうと手を伸ばしていた」
「・・・」
「命を勝手に作ろうとしていた」
ソニアはぶる、と身震いをした。
「以前なら、気が乗らなくなったら反乱軍なんて誰かに委ねてしまえばいいと本当に思っていたし、やろうと思えば出来ると思っていた。でも、もう、それは違うんだな」
「・・・だろ」
ソニアは静かに呟いて、彼女にしてはめずらしく少し大人びた表情を見せた。が、それは大人びた、というより大人の道理を知ってしまった子供のようにも見える。
「人間が侵してはいけない領域にまで踏み込んだ彼らを止めるにはそれなりの力が必要なんだ、ってみんなが気付いてしまった。そうであったら、上にたつ人間は、普通の人間だけれど、力をもつ、なんていう変なものであることが一番いい。それくらい、ウォーレンだってランスロットだってわかっている・・・」
下界の人間が踏み入れるはずがない天界へ己の力だけで行き、天空の騎士でさえ手玉にとり、そして女神フェルアーナがいるといわれているシャングリラですら移動させようとしているラシュディ。
転生を繰り返して若き肉体を保って、そして擬似生命体を作り出す術に長けるアルビレオ。
「覚悟なんて、最初からしてた。教会で、洗礼を受けたときからわかってた。力が欲しくて欲しくて仕方がない自分が、戻れないってことは、わかってたんだ」
「・・・」
ぎゅ、と左手で腰にさしたブリュンヒルドを握るソニア。
「気持ち悪い。結局あたしが手にしている力は、ラシュディとかアルビレオと同じような力で、そんでもって、それと同じことをオハラに強要して・・・。でも、あたしは、違う。違うと思いたい」
「ソニア」
「何もかも犠牲にしてもいい、なんて思っていない。戦だからって、目の前で誰かが死ぬのは嫌だ。自分の腕と引き換えで助かるならそれでいい・・・わかってるよ。それじゃ、駄目なんだろ、反乱軍リーダーならば、一人二人の犠牲には目をつぶることで帝国が打ち滅ぼせるなら、小さな犠牲は見て見ぬ振りをしろって、みんな言うんだろう」
ソニアはちらりとカノープスを見る。
「俺はそうは思わないけど、な。でも・・・ま、お前の腕と引き換えになるくらいなら、死んだ方がいい、とかいうヤツはいるかもしれないよな・・・ランスロットとかランスロットとかランスロットとかランスロットとか」
「・・・」
ソニアはかっとなってカノープスにちょっと唇を尖らせて不満そうな視線を向けた。
その表情を見て「くっくっく」とカノープスにしては珍しい笑い声を漏らして
「図星だろう。大体お前、俺に泣きつくときはランスロットと諍い起こしたときじゃないか。わかって当然だって」
「むう」
「・・・この25年は、長かったんだよ、あいつらにとって。お前が生まれる前から今まで、ずっと1つのことを考えつづけてた奴らの気持ちは俺にはわからないし、きっとお前にもわからない」
「でも」
ソニアは首を横に振った。
「自分の右腕のために、目の前の仲間を見捨てるなら・・・それは」
ぶわっとソニアの両眼から涙があふれ出る。
「あたしが反乱軍リーダーになるために、あたしの家族は神様に見捨てられたのではないかと・・・そう思えてしまって、嫌だ」
ソニアは決してカノープスに甘えず、ただ液体が目から出ているのだ、という風情で続けた。
「家族が死ななければ、きっとあたしはこんなに帝国を憎く思わず、洗礼を受ける覚悟なんて出来なかった・・・助けたかった。でもあたしは無力だった。だから力が欲しかった。でも、力を手に入れたら、今度はその力で為すことのために、小さな犠牲に目をつぶれと言うんだろうか」
「違うだろ」
「・・・ごめん、違う、カノープス」
そこでやっとソニアは涙を拭った。
「そのことじゃない、きっと、それだけで泣いているんじゃない」
「ソニア」
「でも、それは言いたくない。言いたくないんだ」
嫌なことが頭をぐるぐる回る。
確かに口に出したことが彼女の心の重荷になっているのは間違いがない。
でも、それだけではない。
きっと、ランスロットは反乱軍のことしか考えていない。
そんな風に疑心暗鬼になってしまったことも悲しくて仕方がなかったし、けれどそれは疑心暗鬼ではなくて当然のことかもしれない、と更に心の中の自分が言ってくることもつらくて仕方がない。
トリスタン皇子の情報はウォーレンが集めてくれている。まだはっきりとした所在はわかっていないけれど、最近の反乱軍の情報網はかなり発達してきたから、見つけることが出来るんじゃないかな、とソニアは思っている。
それに、もし反乱軍リーダーが退いたとなったら、逆にトリスタン側からコンタクトをとってくる可能性だってある。
だからうまくいくかうまくいかないかはわからないけれど、反乱軍そのものは存続するだろうし、やりようはいくらでもあるに違いない。
かといって、新しいリーダーを召抱えてはソニアはきっと邪魔者になるだろう。それは自分で勘付いている。ソニアが思い煩うのはその先の自分のことだ。今は反乱軍リーダーだから皆が守ってくれている。
けれども。
「ええい、もう、いつまでもうじうじと!」
ソニアはそう叫んでぐいぐいと目をこすった。
「どんな無茶したって、右腕が治れば文句は言われなくなる。治ればいいんだ、これが」
「そーだな、そしたら、そんなぐちゃぐちゃ嫌なこと考えなくてすむんじゃないのか」
「治ればいいんだ」
それは呪文のような言葉だ。
ソニアはぎゅっと目をつぶった。
治ったからと言って、この気持ちがなくなるはずがないのに。
ランスロットが自分を叱ったのはきっと、反乱軍リーダーとして為すべきことを疎かにしたからだ。
彼が思い描いている反乱軍リーダーは、あそこで彼とノーマンを見殺しにしてでも、未来のゼノビアのために保身を図る人間でなければいけなかったに違いない。
でも、自分はそんなことは出来ない。
「そうすれば、治らなかったら、なんて考えなくても済む」
「そーだな・・・治るんだろう?大丈夫大丈夫」
もう一度カノープスは呑気にそう言った。本当のところ彼がどう思っているのかはわからない。
「でも、あたしは」
また、ぶわっと涙があふれてきた。
涙っていうものは、熱いのだな、なんてことを思いながらソニアはうつむいて、ぽとぽとと自分の太ももに落ちる涙の粒が、じわりと広がって布地の色を変えるのを眺める。
右腕が動かなくなった自分の末路を、ランスロットは考えてくれたりしたのだろうか。
それはとても惨めなことだけれど、それでも本音を言えば、ほんのちょっとでも彼が考えてくれていたら嬉しいのに、と思わずにはいられない。
でも、それはとても醜い期待だ。
そんな思いがあったから、いたたまれなくてそして。
尚のこと、ランスロットの口から聞きたかったのだ。
そんなことを言えるわけはないし、そんなことを思っている自分があまりに恥ずかしくて情けなくて、ソニアは悔し涙をぐいと拭うのだった。

ランスロットが指示を出して、残処理は順調に進んでいた。
バルモア城付近の村落に通達を出して、それからカニャーテの人々に伝令を出した。
反乱軍が死体を処分することも可能だけれど、ドヌーブの民達はあまりこの地方の遺跡を他の人間に荒らされることを喜ばない。
最低限の処理だけを行って、早々にバルモア城から引き上げた方がお互いのためだとランスロットは踏んでいた。
サラディンが回復したらすぐに城から撤退できるように、セロデパスコに駐屯していたヘンドリクセン隊は野営の態勢を解いて、アレルタに戻る準備を行っている。が、全員がすぐに撤退するわけにはいかないだろうな、とランスロットは考える。
サラディンは彼が石像になっている間に自分を敬い、帝国に心まで屈することなく誇りを忘れなかったドヌーブの民に敬意を表して時間が許せば各都市を訪問したいとアルビレオと対峙する前から言っていた。
すべてを回るわけにはいかないだろうが、主要都市ならば、とソニアはその申し出を受けていたから、アレルタにサラディンも含めて南下するつもりではないということだ。周りながら南下するほうが効率がいいに決まっている。それに、反乱軍に対してあまりよい印象をもっていない都市でも、サラディンを助けたことで何らかの利益になる情報をもたらしてくれることも多少期待したい。
アルビレオからシャングリラに関する有望な情報を得られなかった今、少しでも情報が欲しい、と思う。
何隊かは残して各都市を回るだろう、と手はずを整える。
そして、右腕が多少動くようになったから自分もいくとソニアは言い出すに違いない。
またそれを「駄目だ」と自分は止めなければいけないのか、とランスロットは少しばかり憂鬱な気分になっていたところに、ソニアは戻ってきた。
「待たせた。どこまでやってくれた?」
バルモア城前で全部隊召集をかけようとしていたランスロットに小さなリーダーは近づいていってけろりとそう言う。
「・・・カニャーテと、この付近の村落に通達を出して、セロデパスコのヘンドリクセンに連絡をとった。残兵はほぼ8割ほど投降してきたから、武器を回収してアイーダ隊とフェンリル様に頼んだ。残り2割は逃亡しようとしたので、オハラ隊に追いかけさせて武器の回収だけをしておいた。放置して構わないだろう。いちいち相手にしていては時間の無駄だ」
「そのとおりだな」
「サラディン殿はバルモア城の一室で今は眠っておられる。久しぶりに体が動き出したからどうっと疲れが出たのだろうな」
「ああ、そうだろう」
「サラディン殿が都市を回りたい、とおっしゃっていたと思うが、誰の部隊に頼むつもりだ?それだけはまだ決めていない。それにサラディン殿が回りきらない都市に訪問する部隊も必要だろう?」
「ああ、ウケがいいだろうから、疲れているとは思うがオハラに行ってもらおうと思う。それから、勉強になるかもしれないから編成しなおしてサラディンにはヘンドリクセンをつけよう。時間が勿体無いからギルバルドのグリフォンを借りて。オハラもガストンのグリフォンを借りるといいな。オハラとゾックとガストン、それからサラディンとヘンドリクセンとギルバルド。この組み合わせで都市を回ってもらおう。アレルタ近くの都市は、ランスロット、ラウニィー殿と一緒に回ってくれるか」
「承知した」
「テリーとあたしにそれぞれヘンドリクセン隊をわけてくれ。ああ、ノーマンがあたしを守ってくれると嬉しいな」
「それは」
「わかっている、ノーマンは相変わらずあたしのことはあまり好きではない」
初めてソニアと同じ部隊にはいったというのに、ノーマンはあまり彼女と口を利かなかった。が、それでも彼は今日の英雄だ。
ヘンドリクセン隊はほとんどが経験の浅い兵ばかりだったから、ヘンドリクセンがぬけてしまってはリーダーになれる人間がいない。とはいえスルストやフェンリルにそういった兵士達のお守りを任せるのは申し訳がないと思う。ではノーマンがお守りを出来るかといえばもちろんそんなことは無理に決まっているのだ。
「では、ノーマンではなくてフェンリル様か・・・」
「いいんだ、ランスロット。こんなところはあの方達の力を頼るところではない。あたしは、ノーマンや新兵達の力と気持ちを信じたいから、そうさせてくれ。ああ、もちろんそれはフェンリル様達を信じていないわけではない。・・・あの方達ばかりを頼っていると思われてはよくない、と思うし・・・正直、今はあまり・・・一緒にいると、つらくなる」
その言葉の意味はわからなかったけれど、ソニアの心の中に様々な感情が渦巻いているのだということだけはランスロットもわかった。本音を言えば無理にでもフェンリルかスルストを護衛としてソニアにつけたいと思ったけれど、こんな風に穏やかに心のうちをソニアが話すときは、逆に譲らないときだということをもうランスロットはこの旅で学習をしている。
「わかった。それではサラディン殿が動けるようになったらセロデパスコに戻ってヘンドリクセン達と合流しよう」
「ああ」
ソニアはあっさりとそう答えて、辺りを見回した。みなそれぞれランスロットから依頼された仕事を熱心に行っている。
誰も彼もこういった残処理が得意なわけではなかったし、反乱軍に入ってくるときにはこんなことまでしなければいけないなんてこれっぽっちもみな考えてはいなかっただろう。それでも命令ひとつで自分の役割をこなせるようになったのは、ソニアとランスロットがそのことと見張りを行えるように、という二つを徹底してきたからだ。彼ら二人は気付いていないけれど、こうやって二人が会話をしているのを邪魔する人間がいないほどに誰もがきちんと何かしらの残処理を行えるほどになったのは、二人の指導が徹底していた賜物だ。
と、どうしようか悩んだ末に、ランスロットは突然切り出した。
「ソニア殿、さっきは・・・」
が、それにはぴしゃりと
「謝るなら、やめてくれ、ランスロット」
「え・・」
「謝らなくて良い。あたしも謝らないから・・・」
ソニアは少しだけばつが悪そうに、ランスロットと目を合わせずにそう言った。
「・・・そなたは・・・」
ずるい、とランスロットは言いたくなる。
自分に残処理を押し付けてカノープスに頼んで逃げて。
自分一人だけさっさと心の整理をして帰って来てしまうなんて。
ランスロットはわずかに不快そうな表情を見せたけれど、そっと眉間に指をあてて表情を緩和させるように務めた。
「でも、ランスロットに後を任せて一人で場を離れたことは、謝る。すまない。ランスロットがあとはなんとかしてくれると思って、甘えてしまった」
それはなんて殺し文句で、そしてなんという残酷な言葉なんだろうか、とランスロットは思う。
ランスロットがなんとかしてくれると思って。甘えてしまった。
ソニアのその言葉はとても嬉しい。自分がこの反乱軍リーダーに信頼されている証だと思える。そしてそれだけではなく、甘えてもらえるほどに彼女が自分に心を許してくれているのだと。
けれどもその反面、それは「ランスロットは追いかけてこないと思っていた」という言葉と同じ意味を持っている。
確かにカノープスに頼んで飛べば、生半可なことでは追えない。それはわかっている。
でも、本当は、グリフォンを使ってでも。
その言葉を彼女に伝えるのは無意味な自己満足のような気がして、ランスロットは止めた。ただ「そうか」と重く答えるのが精一杯だ。
「もしもランスロットがあたしの立場だったら、やっぱりあの場でソニックブームをうっていたと思う。それは想像が出来る。でも、あたしがランスロットの立場だったら、と考えたら、想像がつかなかった。ランスロットが背負っている25年間と、ゼノビアの騎士という肩書きをあたしはよくはわからない。わからないから、謝らないで欲しい。謝られても、それが正しいことなのかあたしは判断が出来ないから・・・」
その彼女の言葉を聞いて、今までソニアの口から「25年間」だの「ゼノビアの騎士」だのという言葉が出てくることがほとんどなかった、ということに初めてランスロットは気がついた。
思えばあまり彼女の過去を自分は知らないけれど、自分の過去のことも話してなかったような気がするな、なんてぼんやりとランスロットは思う。
「そうだな。そうかもしれない・・・・・」
「人の命と、人の右腕を比べたら命の方が大切だっていうことくらい、ランスロットはわかっている。でも、あたしの右腕には、それよりも大切なものがのっかっているんだとランスロットは思っているんだな。でも、それなら、そんな右腕は要らない。あたしは」
「ソニア殿」
「でも、それは口にしてはいけないんだ。反乱軍リーダーで・・・この大陸を変えようとしているんだから。そして、ランスロットはあたしにそうであれと、言ってるんだものな」
「・・・」
多分、たくさんの葛藤がソニアの中であったのだろう。
彼女の言葉は彼女自身を納得させるために紡ぎ出された言葉に聞こえる。
やっぱり彼女はずるい、とランスロットは思う。彼女はランスロットに考えるいとまを与えずに自分だけ考える時間を作って。
(あまり頭が良くない私がとまどうばかりなのに、ソニア殿は勝手に一人で考えて一人で納得してしまう)
そして、その間の葛藤を、私には見せないなんて。
嫉妬に似た感情を覚えてランスロットは愕然とする。
(・・・わたしは、彼女に何を求めているのだろう?)
なんだか、ランスロットはなれないことを考えてどんどん自分が深みにはまっていくような気がした。
先ほどから何度も思っているように、どうもソニアはいつも一人で先走って一人で処理をして戻ってくるからとてもずるいと思える。本当は今ここで伝えるべきことがあったりするのかもしれないけれど、不器用な自分にそれを瞬時に判断することは無理だとランスロットは悟った。
何を伝えるべきなんだろう?そしてソニア殿はどういう葛藤を感じていたのだろうか?
なんて下手くそな大人になってしまったのだろう、と至らない自分を責めた所で突然上手になるわけでもない。
ここでああだこうだといっていることは自分にとってもあまり得策ではないし、そしてソニアを必要以上に刺激しそうでいいことがないだろうと彼は結論を出す。
ランスロットは小さく溜め息をついて、そしてソニアに苦笑を見せた。
「すまない、ソニア殿、どうもうまく頭が回らないようだ・・・あまりこういう話を後から蒸し返すことは好ましくないと思うが・・・もしも、後からまた、この件についてわたしが話をしても・・・そのときは許してもらえるだろうか」
ソニアはしばしランスロットの目をまっすぐにみつめた。
どちらかというと大きいその瞳は、ランスロットをみながら何回かまばたきをして、それから
「・・・うん」
あっさりとした言葉を返した。
ランスロットは、宿題が出来てしまったな、と心の中で呟いた。そして、この宿題は、決して忘れてはいけないような、そんな気持ちすら感じて彼女をみつめている。
ふと思い出したようにソニアが言う。
「そうだ、ランスロット」
「うん」
「戻ったら、オルゴールを返す・・・借りっぱなしで、悪かった」
音がないことが嫌だ、とソニアがムスペルムで我侭を言い、それを聞いてランスロットが貸してやっていたオルゴールのことだ。
下界に戻って仲間の中に戻って、そんな不安も消えたのか、とランスロットは考えて、心からよかった、とやっと彼らしい笑顔をソニアにむけることが出来た。
「もう、大丈夫か」
「うん。ありがとう」
「それならば、よかった。少しでもそなたの役にたったのならば」
「うん」
ほんの少しだけ複雑そうな表情をソニアが見せたのを、ランスロットは気付いた。
気付いたけれど、今日はこれ以上深入りしないほうが彼女のためではないかと、なんだかそんな風に彼は自分で自分を止めた。
本当は、それは。
彼女のためではなくて自分のためではなかったのか、と後から彼はまた後悔することになってしまうのだが・・・。

昼前にバルモア城で決着をつけて昼過ぎには残処理を終え、ソニアは先行してアレルタに向かった。少し遅れてタロスと共に新兵を引き連れたテリーの部隊が後方にいる。
途中に帝国兵の残党が待ち伏せをしていたけれど、それはノーマンが一蹴してくれた。単純な彼は、今日の英雄であることと、新兵がしきりに「ノーマンさんは強いですね」なんてことをいうものだからすっかり今日はご機嫌だ。
未だにオハラをプリンセスにしたことに対する遺恨は残っているようだが、少なくとも今日の彼はソニアに牙をむくことはないようだ。
ソニアは日の傾きをみて、そろそろか、と休憩を入れた。街道から外れた、ただ木が生えっぱなしになって生い茂っている森の入口でソニアは行軍を止める。やがてテリー部隊も追いついてきて一緒に休憩を取りはじめた。
ソニアは腰につけた皮袋から薬を取り出し、ぎこちない手つきで右腕に薬を塗りこんだ。
敵に弱みをみせるわけにはいかないから包帯の類は巻いていない。そもそも、外傷などほとんどなく、薬の浸透をよくするためだけに包帯をまいていたようなものなのだから、なくても何も不自由はないのだ。
「ソレ、きくのかよ」
覗き込んでノーマンが不思議そうな顔をする。
「効くんだろうな。よくわからないが天界のお医者さんが言ってた」
「ふうん?」
「ハイランドの国税ほどの価値があるそうだ」
「・・・ま、マジかよ!っていったって全然想像できねえけどっ」
ノーマンは嫌そうにそう叫ぶ。ソニアは初めてボタンをはめるようになった子供のように、よいしょよいしょ、と苦労しながら薬の蓋を閉めて袋に戻す。ノーマンは意地悪そうに
「ってえことは、あんたのその右腕はハイランドの国税ほどの価値があるってことだ」
「正確にいったら、違うな」
嫌なことをいうな、とソニアは軽くノーマンを睨みつけた。
「あたしが五体満足で反乱軍を率いて、帝国をぶっつぶす。その全てに対しての価値だ。で、それが出来なかったときは無駄な投資だということだろう。ただの小娘相手に払う代償じゃない・・・もちろん、貰い逃げだって出来るけれど、今度は他の人間がそれを許さないんだろうからな」
「ま、俺だって単純にあんたの腕切り落としたら金になると思っているわけじゃあねえよ。首なら別だろうけど」
「あんまりそういうことを言ってると、不穏分子扱いされるぞ」
「構わないね」
「オハラが悲しむぞ」
「・・・いちいちうるせーよ」
「なんだ、自分からつっかかっておいて」
そういいながらなんだかソニアがいつもの元気を失っていることにノーマンは気付いた。
けれど、それに対して元気付けよう、とか理由を聞こうと思うほど親しくはない。
と、そのとき、バルタンのスチーブが彼らに追いついて飛んで来たのが見えた。姿よりも先に羽音が近づいてくるのがわかる。
今回スチーブは斥候役の中心となって連絡係を務めてくれている。カノープスの愛弟子(というとカノープスは嫌がるのでみながそうからかう)である彼は、ソニアもまた信頼している兵士の一人だった。
「どうした!何かあったのか」
ソニアは立ち上がって、まだスチーブが地面に降りてこないうちにそう叫んだ。
スチーブの羽ばたきはカノープスよりも軽やかだ。今は急いでいたから大きく羽音が聞こえるけれど、普段は音ひとつ立てずにバルタンというよりフェアリーでもないかという軽さで飛んでいて、あまりの差異に驚くほどだ。
「ソニア様っ」
汗をかきながらスチーブは慌てて着地をした。
「何か緊急事態か」
「ア、ア、アルビレオがっ」
「どうした、生き返ったか」
あまりにけろりとそんなことをソニアが言うものだから、スチーブの方がびっくりして
「なんで知ってるんですか!?」
と声をひっくり返らせて叫んだ。と、それを聞いて今度はソニアの方が
「そうなのかっ!?冗談のつもりだったのにっ!」
と声を裏返す。この騒ぎにテリーをはじめとした兵士達が皆集まってきた。
「死体がないんですよっ!一人で歩いていったとしか思えませんっ!」
「馬鹿、誰かが運んだんだろうよ!」
とノーマンが怒鳴りつける。それへスチーブはかっと言い返して
「誰も出入りしてない間になくなったんだよ!誰も扉を開けてないんだ!」
「だったら一人でも歩いて出てこねえだろ」
「そういやそうか」
スチーブの話を聞くと、カニャーテの人々とバルモア城近くの村落の人々がバルモア城を片付けに来るまで
大広間は閉鎖されていたとのことだ。帝国の残党は反乱軍があらかたみなみつけたけれど、どこで何があるかはわからないということで、一応ランスロットとラウニィーの部隊が最後に残って立会いを行った。
そこで扉を開けたら、放置されてあったはずのアルビレオの死体がなくなっていた、というわけだ。
「ブラックドラゴンもストーンゴーレムの死体もあるのに、アルビレオのだけ・・・」
ソニアは目をつぶった。
どんな方法なのかはわからないが、アルビレオはきっと生きている、いや、あるいは生き返るのだろう、という気がした。
転生を繰り返してまで永遠の命を貪ろうとしている人間が、ああもたやすく反乱軍の矢面に立つということは、それなりの準備があったって、おかしくはない。
けれど、ノーマンが投げた斧は確かにアルビレオの脇腹から刃をめり込ませて内蔵を裂いていたはずだ。あれで生きていたら化け物もいいところだ。
「・・魔法陣か、人形か、何に仕掛けがあったかはわからないが・・・。もしかしたらラシュディが運んだのかもしれないし・・可能性としてはそれも大有りだ。しまったな。無理にでもしっかり殺しておくんだった」
物騒な物言いをしてソニアは肩をすくめた。
「嫌な相手だ。本当に。生きることに貪欲で、自分の保身だけを優先するような、欲望に忠実な相手は、本当に嫌だ」
ぶつぶつと自分の足先をみながらソニアはそう言う。それから顔をあげて
「スチーブ、まだ、飛べるか」
「は、はい、もちろん。このままアレルタに戻るわけではありませんし・・・誰に伝達しましょう」
「サラディンに。サラディン、わかるな?」
「わかります」
スチーブは息を整えて、力強く頷いた。彼はカノープスほど逞しくなく、カノープスより速く飛ぶことは出来ないけれど、若さは負けていないからスタミナだけはカノープスを上回る。それは周知の事実だった。
「もし余裕があればバルモア城に戻ってくれと。あたしが行ってもわからないが、サラディンならばわかるかもしれない。それから・・・」
少しソニアは言葉を止めて考えて
「ランスロットに。アルビレオの死体が消えた件は、ランスロットには否はない。気にしないでもうバルモア城を出て動いてくれ、と」
「わかりました」
言わないでおくか、と思ったけれど、自己満足だけれど伝えておきたい、とついついスチーブに頼んでしまう。それは個人的な感情だ。反乱軍リーダーとしての気遣いだとスチーブは思ってくれるのだろうけれど。ソニアはランスロットが多分自分の過失とばかりに肩を落としているのではないかと余計な心配をしてしまう。
それでなくとも、久しぶりに共に戦場に出たのが、あんな情けない喧嘩をしてしまってお互いがっかりしているだろうに。
(とはいえ、がっかりしているのはあたしだけかもしれないな)
そんな風にいつも思ってしまうのは、真実を突きつけられたときの自己防衛策だとまだソニアは気付いてはいないけれど。
「すまないな、ありがとうスチーブ・・・まったく、困ったものだ、こっちの常識でことを起こしてはいけないんだなあ」
「まさか死体が消えるなんて、誰も想像しませんよ」
とテリーが呆れたように言う。それは誰の責任でもない。あえていうならばそういう可能性を考えられるのはサラディンくらいなのだろうし。そのサラディンも戦の後は疲労のため休んでいたのだから、誰もそんなけったいなことが起こるなんて予想も出来ないに決まっていた。
「人を馬鹿にするにもほどがあるっての!ぬか喜びさせやがって!」
ノーマンはそう叫んで歯軋りをした。もうどうにもならない、という表情をむけてソニアは
「そしたら、何度でもノーマンが倒して、何度でも今日の主役になればいい」
なんていうことを言う。
「そんなに付き合ってられるか!」
「そうだな。次にあったら、目の前で死体を焼いてしまおう。それくらいやっても罰は当たらないだろう・・・罰当たりはあいつらの方だ」
「では、行きます」
「ああ、頼んだ」
スチーブは折角息が整ったというのに、また翼を大きく広げた。
彼が一人で慌てて飛んできても何も問題がなかった、ということはここいらに帝国軍残兵は残っていない、ということだ。それはありがたい情報だと思う。
「サラディンが師事をしたラシュディは、きっと今のラシュディではないのだろうし、今のラシュディは5賢者と呼ばれていた頃のラシュディではないのだろう。大きな力というのは、人を変えてしまうのだな」
それからテリーを見てソニアはそう言った。
彼女の言葉の真意を測りかねて、古株のエンチャンターはあまり多くは言わない。
「そういうものなのでしょうね」
ソニアは眉間をそっと左手で抑えた。少し前まで、苛々したときにとんとん、と足踏みをする癖がついたのはようやく消えたけれど、こんなときに眉間を抑える癖はどうも治らない様子だ。
「そう思うと」
言葉を切る。新兵達の前で言っても問題ないだろう、と一瞬の躊躇の後でソニアは続けた。
「オハラが、変わらないことを、信じたいし、変えたいと思ってはいない」
その名を出すことでノーマンの視線がソニアに鋭く注がれる。
「だから、みんな、あまり・・・オハラを特別扱いはしないで欲しい。特別だと思われていることを感じると、人は本当に自分が特別なのだと勘違いしてしまうのだろう。たとえ彼女の力がどれだけ強くても」
多分ノーマンは気付いていない。テリーはもしかして、程度に感じ取っているのかもしれない。
その言葉は、オハラに対する言葉だったけれど、裏を返せばソニア自身のことなのだと。
少しの沈黙の後、ソニアはいつもどおり明るい表情で兵士達を見渡した。
「さあ、いくか!アルビレオが生きていようが死んでいようがこの地域はドヌーブの民に返されたわけだし、そしてあたし達がやらなければいけないことに変わりはない」
「はい」
「うす」
まだ閉まっている途中だった皮袋の口が開き気味になっていたことに気付いてソニアはそれを閉めようとした。
そのとき、服のポケットに無造作にいれておいた光のベルがちりん、と当たり前の音をたてて叢の上にかちゃりと落ちる。
「なんだ、それ」
ノーマンが気付いてそれを拾い上げた。
「ああ、光のベルだ。カリャオの宝物殿から貰ってきた・・・サラディンの石化を解くのに使ったんだ」
「ふうん、どってことない音だな」
無造作にノーマンはちりんちりんとそれをふって、とりたてておもしろくもなさそうにソニアに手渡す。
「もうどうせ、使うことはないのだろうけれど」
「では、カリャオに寄って返してきますか」
とはテリーだ。
「使い終わったらまたお蔵入りってわけか。全然お宝に見えねーけどな」
ソニアはじっとベルを見つめた。
試しに自分でも振ってみるけれど、当たり前のちりん、という音しか響かない。
使い終わったらお蔵入り、か。ノーマンの言葉を心の中で反芻しながらソニアはそっとベルをポケットに入れた。
「いや、もっていこう・・・もう少し、外の空気を吸わせてやろう」
その力が必要だったけれど、サラディンの石化をといたらもう役立たず、と思うことはなんだか可哀相にすら思えた。ずっとずっと光のベルはソニアを待っていたのだろう。
確かにソニアは石化を解くマジックアイテムとしてこのベルの力が欲しかったけれど、でも。
なんだか、不憫だな、とソニアは苦笑した。
あんなにこのベルが美しい音を奏でて奇跡を起こしたことは自分とランスロット、そしてガストンと尼僧しか知らない。
お役目が終わってしまえば、誰もが振り返らないただのなんのへんてつもないベルだ。
(なんのへんてつもない生活に戻れるならば、あたしもそれでいいけれど)
けれど、自分の行く末はそうではない、ということに薄々とソニアは気がついていた。
「・・・さあ、アレルタへ行くぞ」
そう言ってノーマン達に笑いかけたけれど、ソニアの眉間は、ほんのわずかにしわが寄っている。
いつかまた、自分はランスロットに問い掛けてしまうのだろう、とソニアはぼんやりと思う。
もしもあたしの右腕が。
いいや、そんな言葉ならばまだいい。
もしもあたしが反乱軍リーダーとして役にたたなくなったらランスロットは。
使い終わったらまたお蔵入りってわけか。
ノーマンの言葉が脳裏に焼き付く。
例え人ならぬ力を持っていても、それは。
ソニアは唇を引き結ぶ。これも、わすれなければ。さっき自分で言ったではないか。アルビレオが生きていようが死んでいようがやらなければいけないことは決まっているし、そして心が揺れていても自分が選んだ道はもう戻れない道なのだから。
頭の中でぐるぐると回る。
ランスロットから逃げてカノープスに木の上に連れて行ってもらって、なんだかすっきりしたふりをして戻ったけれども、自分はとても愚かで(フェンリルにも言われたけれど)何度だって繰り返し不安なことを思い返してしまう。これから逃げる術はないのだろうか、と憂鬱な気持ちにすらなってきてしまった。
ああ、それでも、ひとつだけちょっと嬉しいことがあったな、と思い当たり、ソニアはわずかに口端をほころばせることがようやく出来た。こんなときに自分はなんて呑気なんだろうか?
光のベルの奇跡を、ランスロットと見ることが出来たのは、少し嬉しいな、なんて。
そんな女々しいことを思う自分にちょっとだけ呆れながら、ソニアは歩き出した。


Fin

←Previous



モドル

つらい話になりました(苦)
今回わかったことは、ソニアはランスロットとフェンリル以外の人といるときは幸せなんだということです(爆)
どうなっとるんだ!(笑)
ですが、それは彼女にとっての本当の幸せではないのだと思います。
ランスロットもいってるように、彼には宿題が出来ました。そのうちソニアと自分のことに対して真剣に向き合って言葉にするべき日がくることが容易に想像できることでしょう(笑)
いやー、今回だらだら大魔神でご迷惑をおかけしました。散漫になってしまったし。
心を入れ替えて、次回からコンパクトな構成にしようと思います。伏線はりも、無駄な心理描写も、過度の言葉の繰り返しも省くように最善を尽して・・・しまうと、きっとあたくしの文章から遠く離れてしまうんだろうなあ〜(汗)葛藤ですう・・・。